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書評コーナー

季刊誌44号より

おれ アペール症でも大丈夫

おれ アペール症でも大丈夫

■先天性四肢障害児父母の会編著/三省堂
 ■ISBN-10: 4385365210
 ■ISBN-13: 978-4385365213
 ■18.6 x 13 x 1.8 cm 163頁 価格1300円(税別)


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アペール症とは、キューピー人形のように愛嬌のある顔立ちとばらのつぼみのようにくっついた指が 特徴的な先天性の障害で、突然変異によって遺伝子が傷つくことで起き、その程度はまちまちだそうだ。

少数なので専門医がおらず、子どもがどのように育つのか、不安や心配の大きかった親たちが、 同じ障害を持つ子とその家族に役だってほしい、アペール症を他の人にも知ってほしいとの思いで、 15家族、16人が書いている。

アペール症の子は、生後直後から何度も手術を受ける。たとえば手。 丸まった指の分離手術を繰り返す。生長につれ、骨の未発達などから目鼻のバランスが悪く、手術することも。

本のタイトルは、「変な子どもがいる」「目が出ている」と知らない人に指さされたとき、 「おれアペール症でも大丈夫」とお母さんを気遣う息子の言葉からとっている。 歩いていると容赦ない視線が遠くからでも突き刺さってくるのが現実だろう。 それは「ジロジロ見る側の問題」である。

カラー写真に笑顔が溢れている。売れないかも知れない。 元が取れないかもしれない本が出版されたことを素直に歓迎したい。(さ)