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書評コーナー

「薬のチェックは命のチェック」で取り上げた書籍を紹介しています。

季刊誌30号より

生物の進化に学ぶ乳幼児期の子育て

生物の進化に学ぶ乳幼児期の子育て

斉藤公子著/かもがわ出版
 ■19 × 13.2cm 219頁 1800 円(税別)


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「どんな子供にも、どのようなときも、笑顔を向け、褒めて育てる、待ってあげられる保育を」と著者はいう。 子どもの持っている素晴らしい力、果てしない可能性、その力を育てるための保育が語られる。

戦後、食べることも難しい時代から、一貫して50年、乳幼児の保育に献身的に取り組んだ斉藤公子さんは埼玉県深谷市に 「さくら・さくらんぼ保育園」を開設し、2千ヘクタールの園庭という素晴らしい環境で多くの子ども達の保育を行ってきた。 「さくら・さくらんぼ保育園」の卒園式には園で育った子どもたちを見に、全国から見学者が集まる。健康児だけでなく 障害を持つ子どもにもわけへだてなく保育指導にあたり、「乳幼児期の保育で障害を克服できること」を示した。 実践と理論を兼ね備えた保育として多くの賛同と尊敬を得、長崎や沖縄にも志を同じくする保育園ができた。

世の中で一番大切なものは? それは子ども達であること。子どもの時代に幸せに育つことが一生の宝となる。 生きる力を培うために必要なものが何かを、満ち足りた生活の中で見失いがちなことに気がついた一冊です。(す)