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書評コーナー

薬のチェックは命のチェックで取り上げた書籍を紹介しています。

季刊誌15号より

いい加減に生きる スピリチュアル仏教のすすめ33

大下大圓著/講談社

いい加減に生きる スピリチュアル仏教のすすめ33

最近、心のケアとかスピリチュアル・ケアが注目を浴びています。本書は、僧侶の大下大圓さんが取り組んできた終末期ケア・ボランティアの豊富な経験を描いたものです。スピリチュアル・ケアには、「宗教的側面」と「実存的側面」があるとされます。これは、スピリチュアル・ケアがキリスト教文化に基づく言葉だからでしょう。仏教は、お釈迦様が「自灯明」として「自己の存在が全ての元」と述べていることからわかるように、「宗教的側面」と「実存的側面」がすでに存在します。「人の心には各自の宇宙が存在し、それが全宇宙と一体と気づいた時、その人は大きく生まれ変わる」という仏教の教えは、人と人との関係、あるいはスピリチュアル・ケアの基本を表しているとお思います。少し難しい話になりましたが、本書を読んでその一端に触れることをお奨めします。(た)


■19×13㎝:262ページ/¥1,500 (税別)

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