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書評コーナー

薬のチェックは命のチェックで取り上げた書籍を紹介しています。

季刊誌11号より

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ピルの危険な話

武田玲子・吉田由布子共著/東京書籍

ピルの危険な話

日本では1999年6月にピルが認可された。出産するかしないか、ピルは女性が自己決定権を実現するために開発された薬だと思われていないだろうか。本書は、ピル開発の歴史の中で、女性の健康が重要視されていたかどうかは疑問である、と述べている。

ピルは医師の処方箋がなければ使用できない医療用医薬品である。そのために医師の、「安全だ」とのひと言で、患者は無条件に服用する可能性が高い。副作用は、服用して20年以上が経過した後で、突然現れることもあるのだ。

ピルの効用と副作用とをすっかり分かっている人はどこにも存在しない。ピルについての追跡調査と、認可に関しての再審議が待たれる。しかし、それ以前に、生理、妊娠、出産という、女性にとって正常な体の営みに対して、薬剤を使用すること自体が不自然ではないかと訴えている。医学知識があまりない者にも分かりやすい文章なのが、ありがたい。(み)


■単行本:323ページ/¥1,700 (税別)

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