(2007.12.04号)

『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No95

12.3 →タミフル薬害で要望書
—最新情報を取り入れ、因果関係を認めよ—

NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)

NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)と薬害タミフル脳症被害者の会、薬害オンブズパースン会議は、12月3日、タミフルと服用後の突然死・異常行動後などとの因果関係を認めることなどを求める要望書を舛添要一厚生労働大臣宛てに提出した。当センターからは同時に、因果関係に関する意見書も提出した。

医薬ビジランスセンター(薬のチェック)の要望書意見書添付資料(スライド)

この時期に要望書ならびに意見書を提出した理由は、

  1. これまでにもほとんど因果関係は明瞭であったが、さらに最近数か月の間に、タミフル服用後の死亡例に関する詳細な情報が開示され、その分析結果からタミフルによる反応の特徴が明らかになってきた(服用1〜2回で生じる突発発症型の突然死や異常行動と、4〜5日服用以降に出現する精神神経症状や肺炎・敗血症死など遅発型反応の主に2種類の反応がある)、
  2. すでに多くのデータより判明していた発症のしくみのうち、未解明の部分を補う重要な事実がいくつか判明した(タミフルを脳から排出させるポンプ機能を担う主な仕組が、P-糖タンパクであると特定され、タミフルがヒトの重要な酵素ノイラミニダーゼ(シアリダーゼともいう)をも阻害しうることが判明。前者が突発発症型反応に関係し、両者が遅発型反応に関係すると考えられる)、
  3. その結果、もはやこれらの事実を適切にみれば、通常、人が疑いを差し挟まない程度に高度の蓋然性をもって因果関係をとらえうる段階に至っており、被害救済に十分な因果関係は証明されていると考えられること、
  4. 12月中には、厚労省によって、因果関係に関する何らかの判断が行われる予定になっていること、
  5. その際、すでに判明している因果関係の重要な部分に関して厚生労働省が誤った判断をすれば、さらに被害が拡大し、被害者は救済されずに放置される危険性があること、さらには、
  6. 厚労省から流される「因果関係は否定的」との情報のみにほとんど依存しているマスメディアに対して、因果関係を支持する知見がいかに多く集積されてきているか、を認識してもらう必要があったためである。

なお、今回の要望は、「因果関係について認めるように」とのただ1点に絞った。因果関係を支持する知見がいかに多く集積しているかを強調するためである。

これまでの要望、つまり、害の大きさを考慮し承認取り消しと回収が必要であり、被害救済を申請している被害者はもとより、潜在的被害者についても救済されなければならないことは言うまでもない。

また、最新の情報に基づく因果関係の考察の概略は、すでに『薬のチェック』速報版No94に速報したが、今回の意見書ではさらに詳しく述べ、スライド原稿も添付して解説したのでぜひご覧いただきたい。


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