医薬ビジランスセンター(NPOJIP)へようこそ

書評コーナー

季刊誌50号より

大笑い! 精神医学 精神医学を100%否定する理由

大笑い! 精神医学

■内海 聡 (著), めんどぅーさ (イラスト) /三五館
 ■ISBN-10: 4883205738
 ■ISBN-13: 978-4883205738
 ■21 x 15 x 2 cm 174頁 価格1200円(税別)


こちらから購入できます


“マンガといっても侮られては困ります”。本書の帯にそう書かれている。読んでみるとまさにその通りだった。 実際に薬を飲まされている若年層やお年寄りにもわかりやすくということでマンガ形式を選んだそうだが、 かわいらしいキャラクターたちが告発するのは、日本の精神医学の実に恐ろしい深い闇である。

著者は、「精神科は今日もやりたい放題」を出した内科医の内海聰さん。この問題に関心を持つ漫画家のめんどぅーささんとの コラボで本書が生まれた。マンガの中でヒツジの皮をかぶったオオカミとして描かれる精神科医たちは、診断基準の改定のたびに 新しい病名を作り出し、一般人をつぎつぎと“患者”に囲い込んでいく。そして精神病院に監禁したり薬依存症にしたりして、 “殺して”いくというのだ。特に、子供のちょっとした平均からのずれを「発達障害」と診断し、投薬治療の対象としていく罪は大きいという。 かつて著者自身も“その犯罪に荷担していた”と率直に認め、だからこそ医療界からの孤立を恐れずこの告発本を書いたのだという。 日本で、抗精神病剤や睡眠剤の超長期大量投薬がなぜ起きるのかその理由の一端が本書を読めば分かる。(く)