「薬のチェックは命のチェック」で取り上げた書籍を紹介しています。
スタンリー アダムズ著/浜谷喜美子訳/三一書房
原題は「ロシュ対アダムズ」。ロシュは、ご存知タミフルを製造販売している、スイスに本拠を置く製薬会社です。
英国の新聞が“ゴリテアと闘うダビデ”
(旧約聖書に登場する話。巨人兵士ゴリテアを羊飼いの少年ダビデが倒したことから、
小さな者が大きな者を打ち負かす喩えとして使われる-Wikipediaより)
にたとえた、多国籍企業と一個人の闘いの物語です。
1974年、元ロシュの重役であったアダムズは、“良心を案内役として”ロシュのビタミン剤の価格操作
(例:インドでインフルエンザが流行しているというニュースが入ると、市場に出すビタミンCの量を抑えて値段をつり上げる)
に関する内部資料をEC委員会に渡します。すると、その年の大晦日、彼はスイス当局に逮捕投獄され、非公開裁判で審理され、
企業秘密漏洩と産業スパイ罪で有罪となります。その間、妻は幼い3人の娘を残し、自殺。彼は破産してしまいます。
絶望的な闘いを強いられた内部告発者の自伝です。
1976年、ロシュの100%子会社がイタリアのセべソで起こしたダイオキシンによる公害事件についても触れられています。
1986年刊行の古い本ですが、絶版にはなっていませんし、アマゾンでインターネット購入できます。(き)
■ 316頁/本体価格2200円
ご購入はこちらからできます