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書評コーナー

薬のチェックは命のチェックで取り上げた書籍を紹介しています。

季刊誌16号より

幸せをよぶコミュニケーション サップ式からエスペール法へ

ジャック・サロメ著、谷田憲俊監訳、市川聖子翻訳.行路社、2004年

幸せをよぶコミュニケーション サップ式からエスペール法へ

"青い鳥"は自分の家にいたように、対人関係をよくする基本は自分を愛することと著者は訴えます。省みれば、対話の方法を誰も教えてくれません。親、先生、先輩、上司がすることをまねるだけです。

サップ・システムとは、「(人の言うことを)聞かない」「見ない」「害になる」「ゆがんだ」「エネルギーを奪う」を意味するフランス語の頭文字をとったもので、家庭や職場、学校、政治の場などにある支配・服従関係を維持するコミュニケーションのことです。人間関係を密かに牛耳ろうとする要素であり、あらゆる分野・場面で出会います。それに対し、自分と相手を尊重する対話法をエスペール法と呼んでいます。

本書は、両者を対比して、望ましいコミュニケーション法であるエスペール法を、イラストや図表を使いながらわかりやすく解説しています。著者のサロメ氏は、「(医療従事者は)患者や家族の身になって考えるのはいけない」と講演で話したそうです。なぜ? 普通、「患者の身になって」と医療者は教えられ,患者もそういう医療者が良い医者・看護婦等だと思っています。本書を読んで、「相手を尊重しつつ、自分を愛することのできる」コミュニケーションを知ってください。(さ)


■21×15㎝:358ページ/¥2,400 (税別)

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